飲食店において、良く聞くFLという言葉。
これは
Food (原価、材料費、食材費)
Labor (人件費)
を現したもので飲食店の経営状況を語る上で欠かせない数字です。
食材費と人件費を足した数字をFL
その比率をFL比率をいいます。
飲食店では食材費と人件費が2大コストなので、ここをコントロールできると利益を多く残すことができ
経営が安定します。
FL60%と言ったら、食材原価と人件費を足した数字が売上の60%。 ということです。
一般的には売上に対して、
食材費30% + 人件費30% = FL60% が理想とされますが、
実際には60%を上回ると利益はほとんど残らないです。
そして重要なことは経営者の給料を人件費に組み込んだ上でFL60%以下にすることです。
厳密には、経営者には給料という概念がないので人件費には入れません。
でもそこを、あえて店長を雇っている人件費として考えます。
経営者の給料を人件費として計上してFL60% 以下なら
誰か店長を雇って、経営者は現場を離れることができるようになります。
食材費と人件費。この2大コスト。
もちろん安く抑えるべきですが、単純にコストカットすればいいというものでもなく
食材費も人件費も下手に抑えればサービスの低下になりかねず、お客様が離れる結果になることが多いです。
なので工夫が必要になります。
食材費について
食材費が高くなるざっくりな要因としては
・仕入れ値が高すぎる
・安く売りすぎている
・廃棄ロスが多い
・(棚卸が間違っている)
例えば肉や魚などの高額な商品を原価率30%のセオリーに単純に当て込むとお客様は「高額だ」と感じます。
「高額だ」と思われる値付けは失敗しています。
それは別の言い方をすると「この売値の価値はない」ということです。
そう思われると次はありません。買っていただけません。
では安くすればいいのか?
よく職人タイプの経営者が陥る間違いは
それは、
お客様に喜んでもらいたいから、高額だけど最高の食材を仕入れ、
お客様に喜んでもらいたいから、安く売る。
この考え方でやると失敗します。
お客様は喜んでくれるかもしれません。ですが利益が残らないので、経営者が幸せになれません。
ボランティアのような状況になります。
こういう言葉をキャッチフレーズにした会社がありました。
「より良い物を、より安く。」
この考え方で成功できるのは大企業だけです。
個人店は決して薄利多売をしてはいけないんです。
個人店では、「より良い物を、適正価格で。」の考え方が必要です。
そこでいくつか考え方があります。
①料理の原価率を40~50%にしておいてドリンク(原価率10%)をオーダーいただける工夫をすることで
トータルの原価を落とす。
②料理の原価率を50%にしておいて、立ち食いスタイルにし、回転率を上げる。(いきなりステーキ、俺のフレンチ)
③料理の原価率を25~35%にしておいて、価値を伝えることで納得していただく。
④料理の原価率を25~35%にして、お客様に空間を楽しんでいただく工夫をすることで食費でなく遊興費として納得していただく。
カグラでは①③④を意識しています。
コンビネーションで勝負です。
価値を伝える広告やPOPを作り、インスタ映えや盛り上げ系の料理を作ります。
価値を伝えた上で、「食費」ではなく「遊興費」としてお金をいただくことができればお客様は価格に納得してくれます。
人件費について
人件費が高くなるざっくりな要因は
・暇な時間にアルバイトを多く起用している。
・営業時間が長すぎる分、人件費もかかりすぎている。
・単純に給料を高く設定しすぎている。
・社員が多すぎる。
人件費は簡単にコントロールできますが、減らせばサービスの質に直結し、増やせば人件費高騰に直結します。
あとは考え方です。
例えば店の清掃を業者に頼めば数万円かかりますが、アルバイトに頼めば数千円でできます。(クオリティは変わりますが)
チラシ製作、ポップ製作、メニュー制作、DM制作、調理補助や買い物、
社員や業者じゃなければできない事って意外と少ないです。
あとは教育することでアルバイトスタッフにもできることが増えます。
人件費が多少上がっても、アルバイトスタッフに頑張ってもらう環境を作ることで他の経費がかなり削減できます。
またはクオリティを高く維持するために社員しか雇わないという考え方もありますが、これは人件費が高くなります。
規模にもよりますが、個人的には
社員は限界まで少なくし、アルバイトスタッフを多く雇用するほうがいいと思います。
大切なのは経営者がスタッフのやる気、能力をどこまで引き出せるかにかかっています。
経営者として正しい考え方は
「人件費を落とすために給料、時給、労働時間を落とすより、売上を上げてカバーする。」
だと思っています。
カグラではこの考え方でFL50%です。
とはいえ、これが正解だとも言えません。
メニューを強力に改善できれば売上が上がり、問題がなくなるかもしれません。
今は知らないノウハウを勉強して知ることができれば売上が上がり、問題がなくなるかもしれません。
日々お客様の反応に注意して勉強を続けることが必須です。
一緒に頑張りましょうね!