今この文章を読んでくれているあなた様
素敵です。
あなたの抱き枕。
カグラオーナーの岩淵です。
肉ビストロKAGURAに繋がる
僕のフランス料理修行のお話です。
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19才でフランス料理業界に飛び込んだものの
魔法使いのような料理長と
知力、体力、精神力を兼ね揃えた同僚と先輩達。
若さ特有の根拠のない自信は木っ端微塵に砕け散りました。
毎日怒られまくってました。
そんなある時思ったんですよ。
『このままじゃダメだ』って。
漫画に描かれるようなパワーアップの為の
武者修行が必要だって思ったんですね。
で、
フランスに修行に行くことを決意しました。
そして勤めていたレストランを退職。
フランス行きのチケットを購入。
でも、
お金ないので
学生ビザをとることもできず
ワーキングホリデーも審査落ち。
『ビザとれなかった!』
『まぁいっか!』
で不法滞在決定。
まぁ!なんとかなるだろ!
とスーパーポジティブシンキングで飛行機に乗り込み
パリのシャルル・ド・ゴール空港へ。
行ってみてビックリ。
海外って外国人だらけなんですよ。
というか、僕が外国人なんですよ。
いやぁ、ビックリ。
とはいえ、
さすがの僕でも旅立つ前に2か月ほどフランス語は勉強してたんですよ。えぇ。
NHKのフランス語講座ですよ。
これでフランス語は完璧だと思うじゃないですか。
ところがどういうわけかですね。
フランス人、全く何を言っているのか分からないし
僕の言葉も通じないんですよ。
えぇ。
いゃぁ、弱りましたね。
フランス人の空港スタッフ
『パリに行きたい』
が通じないってどういうこと?
『パリ』
が通じないんですよ。発音悪すぎて。
2文字ですよ?
通じないことが理解不能なわけです。
そしたらさすが空港スタッフです。
ご親切に英語に切り替えてくれました。
ところが僕の英語力は胎児並みです。
英語で言われたって分かるわけない笑。
フランス人お手上げ。
(ホントに両手を挙げてお手上げジェスチャー)
なにやら
他のお客さんの迷惑だからどっか行け
と追い払われ。
3回並び直しても結果は同じでした。
3回目なんて露骨に
『またお前か』
という顔。
『そんな顔すんな。
俺はパリに行きたいんだ』
ともはや日本語で食い下がるも追い払われ。
どうしていいかわからないもんで
空港の隅っこで体育座り。
『これで帰国になったら恥ずかしいぞ』
『後世語り継がれるレベルの恥ずかしさだぞ』
『だいたいなんでパリの2文字が通じないんだ』
ブツブツブツ…
しばらく半ベソかいて体育座りしてたら
隣をネズミがチョロチョロ。。
いよいよホントに泣きそうになってたら
ヒラメキましたよ天才ですから。
まさに名案。
書けばいいんじゃねーか?
そこでメモ用紙に
『Paris』
とだけ書いて
天敵のフランス人空港スタッフに挑むと
『なんだお前は、パリに行きたかったのか』と
『それならあそこに行って〇番の電車にのれ』と
こうして空港を脱出したのでした。
5時間かかりました。
あの時のフランス人空港スタッフさん。
ご迷惑おかけしました。
そして23才岩淵青年はパリの大地を踏んだのでした。
つづく