カグラオーナーのフランス滞在記 9 街の若者達に囲まれた夜 編


20m前方に

ガラの悪いのがいるんですよ。 

集団で。 

 

 

この街には日本人はおろか

アジア人は僕1人。

 

 

珍しいから目立つ目立つ。 

 

 

僕を見て何か話してます。 

 

彼等の目の前に来たとき

話をやめて

一斉に見てくるんですよ。  

 

 

今までの経験から

フランス人は日本人は好きです。

でも中国人は嫌いです。 

 

そして外見では

日本人と中国人の違いが 

判別できません。 

 

フランスでも

中国人の数は圧倒的に多いので

よく中国人に間違われます。 

 

 

心底、めんどくせぇー

思いました。 

心底。

 

 

このまま通り過ぎて何事もないことを祈ります 

 

  

ところが。 

 

野郎共ときたらですね!

(聴いてください!)

  

  

 

僕が通り過ぎたところで

後ろから

空き缶を投げてきやがりました。 

   

 

空き缶は

僕の右耳をかすめて前方に落ちます。

 

  

 

カラカラカラ () 

 

  

 

正直

めちゃめちゃ腹が立ちました。 

  

 

 

・・・・ニャロウ・・・・・💢 

 

  

 

瞬間的に

いろいろ考えが駆け巡りました。

  

 

『絡まれたらやられるなぁ』

 

『これからこの街で住むし

いざこざはもってのほか』

 

 

と考える一方で

 

 

『かといって

下手にでて上から来られたら

街で会うたびに

面倒くさいことになりそうだ』 

 

 

つまりは、 

 

ナメられても良くないわけです。 

生活していれば

必ずまた会いますから。

  

 

そこで熟考に熟考を重ねた結果 () 

 

 

挨拶として

彼等が投げてきた空き缶を

前方に蹴っ飛ばしてあげました。 笑

 

 

彼等は後ろで騒ぎだし 

僕は振り向かずに歩きました。 

 

 

だけど何も言って来なかったです。

(安心) 

 

おそらく彼等にとっても僕は 

得体の知れない存在だったんでしょう。 

 

こうしてアパートへ無事帰還。 

 

  

空き缶を蹴飛ばすという行為が

『吉』とでるか『凶』とでるかは 

次に出くわした時に分かります。 

 

 

 

そして

その時はすぐにやってきました。

 

 

翌日から働きはじめ、その夜です。 

 

 

同僚のフランス人の若手達が

僕の歓迎会をしてくれると言います。 

有難い。 

 

 

『ダイシュケ!

今夜は予定あるのか?』 

 

『ないなら

面白いところに連れて行ってやる』 

 

 

と総勢8人で車に乗り、

着いたところはクラブハウス 

  

のような

  

暗い店内で音楽と照明がガンガン

流れるような

そんなところです。  

若者達が踊ってます。

(日本のクラブと比べると

だいぶレトロ)  

 

 

だけど 

その雰囲気で嫌な予感がするわけです。

 

  

ここはフランス地方都市。 

近隣の若者が

夜な夜な遊びに行く場所なんて

あまりないだろうと

察しがつきます。  

 

 

つまりは、 

「 昨日の集団がいそう 」

な雰囲気満載です。

  

                              

 

と思ったらいました。 

  

 

 

店の角のソファーに

座っている5人組を発見。 

 

 

向こうもこちらを見ています。 

 

 

いきなり見つかってました笑 

 

  

彼等は一斉に立ち上がって  

人混みをかき分けて近づいてきます。 

 

 

さぁ、「吉」かな。「凶」かな。 

 

 

あっという間に目の前まで来ると 

 

僕の同僚フランス人に 

  

 

『ヘーーイ、元気でやってるかー?』

  

 

とハイタッチ。 

 

 

狭い街です。

みんな知り合いです。

山梨みたいです。 

    

 

彼等

『この外国人はお前のツレなのかー?』 

 

同僚

「ああ、

彼はうちのレストランのスタッフだ。

日本人だ。よろしく頼むよ。」

 

 

彼等

『昨日会ったよ。 

俺が空き缶なげたら

その空き缶を

蹴っ飛ばしたんだぜコイツ』 

(大袈裟なジェスチャー付き)

 

同僚

 「本当かよ、ダイシュケ!」 

   

「お前はサムライだなダイシュケ!」 

  

 

彼等 

『ダイシュケ~よろしくな~』 

 

 

僕  『よろしく』  

 

 

空き缶を蹴っ飛ばす行為は

結果的に『吉』でした。

(良い子は真似しちゃだめですよ!) 

 

 

 

こうしてさらに他の若者達が合流。 

 

20人くらい集まって 

ワイワイと飲み会開始。 

 

 

同僚が紹介してくれたから 

同年代の知り合いが

たくさん出来た夜でした。

  

 

つづく