カグラオーナーのフランス滞在記 14   泡吹いた 編


 

無事にフランスに再入国を果たしました。 

 

 

後から思い返しても

奇跡としか思えない出来事です。 

  

 

ナルボンヌの部屋に帰って来れたこと

に心底ホッとしました。 

 

 

皆に迷惑をかけましたが 

フランスを益々好きになったでき事でした。 

 

 

 

それからヴァカンスを終え 

仕事の再開です。 

 

 

しばらくぶりに会う同僚達は 

どこに旅行に行ったとか

何を食べたとか 

 

そんな普通の話。 

 

 

まさか僕があと1歩で逮捕されるところ

だったとは言えませんでした。(°∇°;)

 

  

仕事始めに軽い朝礼があり

配置転換をすると発表。 

 

この頃、

魚料理主任として6カ月が経過。 

 

まさかなぁ。 

 

と思っていたんですが。 

 

  

 

料理長  

    『配置転換をする』

  

『〇〇は引き続きパティシエ』 

『〇〇がパティシエ補佐』 

 

『〇〇はオードブル主任』 

『〇〇がオードブル補佐』 

 

『〇〇は魚料理主任』 

『〇〇が魚料理補佐』 

  

『ダイシュケが肉料理主任』 

『シモンとヴァンが肉料理補佐』 

  

  

・・・・(うぉ!!)・・・・

 

 

『〇〇は引き続き副料理長』 

 

『以上だ 

 一週間後に

 季節の新メニューに切り替える』 

 

『来年の2つ星を狙う』 

  

   

 

 

肉料理!やった! 

 

でも1つ腑に落ちないことが。 

 

  

シモンはいいにしても

 

肉料理補佐になったヴァンは

僕と同い年ながら経験は3年も上。 

  

しかも

フランス人だし

なぜ僕が主任なのか。 

  

 

と思いましたが

肉料理主任になったことが

嬉しくて嬉しくて。 

 

 

それからさっそく仕事開始。 

 

料理長から

新メニューの説明があってから

製作にかかります。

 

 

この期間は昼休みもそこそこに

新メニューを何度も作って

ブラッシュアップ

していきます。 

 

 

そしてヴァンはやっぱり仕事ができる。 

 

ヴァンとシモンが

僕の理解不足を補ってくれます。 

  

 

あー。こういうことね。 

 

えぇ? 

ここにフォワグラ入れちゃう? 

 

なんだこのソース。うまぁ。 

 

 

僕はお客様に提供する肉料理を

担当するのは初めてでした。 

  

 

はっきり言って力不足だと自分では

思っていたんですが、 

  

 

ヴァンとシモンが補佐として頑張ってくれるんで料理は合格ラインを維持できます。 

 

  

難しい打ち合わせだったりは

ヴァンが参加して 

かみ砕いて僕に伝えます。

 

 

僕はシモンと現場を。

ヴァンは事務的なことを含めた

調整役といった感じ。 

(ヴァンは料理もできるんで

 大いに頼りにしました) 

 

 

なるほどこれは絶妙な人選かも

しれないと関心しました。

  

 

話は変わって 

 

有名ですが。 

ミシュランというガイドブックがあります。 

 

フランス全土のレストランを格付けします。

何万件もあるレストランから

 

3つ星、2つ星、1つ星、

星はないが行く価値ありの店とか  

細かく記載されます。 

 

 

1つ星をとるのも凄くタイヘンです。

皆、まずはここを目指します。

 

それから2つ星を狙い

 

3つ星を目指します。 

 

 

僕がいたレストランは

この時1つ星。 

 

料理長は新進気鋭の若手の注目株。 

当然だと言わんばかりに

2つ星をとるぞ宣言。 

  

 

シビれました

 

 

星を取ろうというレストランには

勢いがあり 

 

目標が明確なのでスタッフが団結して

 

いい雰囲気がありました。 

 

 

 

そんな中、 

仕込みしていると

料理長が遅めの出勤。 

 

 

料理長

 

『みんな、ちょっときいてくれ!』 

 

6ヶ月後、 

 モンペリエとカルカッソンヌの 

 レストランと合同でパーティーを

 受け持つ事になった!』 

 

200人出席の大パーティーだ!』 

 

『うちの店は肉料理を担当する!』 

  

 

『ダイシュケ! ヴァン! シモン!

 ジァック! オーロン! 

 ラルク! と、俺だ!』 

 

  

『この7人でいく!』

  

『失敗は許されない!』 

  

 

 

『わかったか?!』 

 

 

 

 

ウィ!! シェフ!! 

  

 

 

と全員で応えます。 

 

  

 

この時、約1

わかってない奴がいました。

 

僕です。

 

 

( ? なんだって? 

今、オレの名前呼ばれなかった? )

 

   

 

 

どうも

凄い規模のパーティーらしく。 

 

 

しかもお客様は南仏セレブ200人。 

 

 

超巨大晩餐会でした。 

 

 

ナルボンヌ近隣の星つきレストランが

合同で受け持つことに。 

 

 

一緒にやるレストランも

伝統と格式ある老舗で

星つきばかり。 

 

 

料理人は総勢30人。 

一流が集まる大イベント。 

 

 

理解したときは泡吹いて

失神しそうになりました。 

 

  

 

つづく